「情報ネットワーク法学会」設立のご案内および入会のお勧め

謹啓

 貴下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 現代社会における情報ネットワークの重要性はますます高まり、これに伴って情報ネットワークに関連する様々な法律問題が国内的にも国際的にもクローズアップされ、解決を迫られております。

 これに対しては、いくつかの研究者・実務家グループが活発に研究活動を行ってきており、私どももかねてより、情報ネットワーク法に関連する研究活動の中で一定の成果を収めるとともに、近年のプロバイダ責任制限法、迷惑メール規制2法などや民間の各種ガイドラインの作成過程に参画し、さらには企業活動の中でも研究の成果を応用してまいりました。今後この領域の重要性がますます増大し、複雑困難な問題に直面するだろうことは容易に予想できるところであります。

 そこで、幅広い分野から研究者及び実務家の参画を得て、研究体制のより一層の充実発展を図っていきたいと考え、この度「情報ネットワーク法学会(仮称)」を設立することになりました。

 現在のところ、法とコンピュータ学会、サイバー法研究会、法情報研究会、明治大学学術フロンティア「社会・人間・情報プラットフォームプロジェクト」、ネットワークと消費者保護研究会などに参加してきた法律実務家、研究者、そして企業関係者が有志として設立準備委員会を組織し、準備を進めております。

 今後の活動は、下記のスケジュール予定にありますように、本年7月27日に学会設立総会と第1回の研究集会を開催し、本年中にもう一度研究集会を開催するとともに、機関誌およびウェブによるオンラインジャーナル、電子メールを用いた情報発信などを予定しております。

 つきましては、情報ネットワークと法律問題にご関心をお持ちの個人および企業・団体関係の方々にも幅広く「情報ネットワーク法学会(仮称)」にご参加いただき、先端的な問題に関わる多方面からの意見交換と研究活動を重ねていきたく、会員募集のお知らせをお届けする次第です。

 経済状況が必ずしも芳しからぬ折、このようなお願いはまことに心苦しい限りではありますが、この分野の重要性に鑑みまして、なにとぞよろしくご検討いただきますようお願い申し上げます。

敬具

  平成14(2002)年5月

                       情報ネットワーク法学会 設立発起人

                       発起人代表 慶応義塾大学 教授 苗 村 憲 司