各研究会概要

情報ネットワーク法学会は、これまでも選挙・選挙運動の電子化に関する法的な問題に
ついての研究に取り組み、インターネット選挙運動に関する特別講演会を2度にわたって
開催しています。

特別講演会「ネット選挙運動の現状と課題」
平成22年10月2日(土)開催
http://in-law.jp/bn/2010/index-20100916.html

特別講演会「インターネット選挙運動解禁で選挙はどう変わる」
平成25年6月1日(土)開催
http://www.in-law.jp/archive/tokubetsu/2013-1/index.html

その成果は、情報ネットワーク法学会編『知っておきたいネット選挙運動のすべて』(
商事法務、2013年)として刊行されています。

選挙は民主主義の基礎をなす重要な制度であり、国民が候補者や政党に投票して民意を
政治に反映させることは、民主政治の上で欠かせないものとなっています。また選挙だけ
ではなく、最近は各地の自治体で政策決定にあたって住民の民意を問うために、住民投票
も実施されるようになってきました。

 このような選挙や住民投票における投票を、インターネットに接続されたパソコンやス
マートフォン、タブレット等の上から行うことができるようになれば、有権者の利便性は
飛躍的に高まります。スマートフォンやタブレットを常時持ち歩いている若者だけではな
く、投票所に出かけることの負担が大きい高齢者や、人口が少なく投票所が遠い場所にあ
る地域に住んでいる有権者、在外投票を行うために非常に煩雑な手続を要求される海外の
有権者なども、投票環境は大きく改善されることになるでしょう。

 他方で、選挙の実施には特に公正性が要求され、秘密投票の原則、普通選挙の原則など
選挙に関する憲法上の原則に基づき、公正・公平なインターネット投票が行われるように
する必要があります。

 また相次ぐサイバー攻撃や個人情報の流出事案にみられるように、インターネットの利
用にはセキュリティ上の問題点が常に伴うことも事実です。停電やネットワークの障害に
よって、インターネット自体が利用できなくなるということも考えられます。このため、
実証実験の実施などを通じて、インターネットを投票に利用する際の問題点を把握し、障
害発生時の対応などを検討していく必要があります。

 そこで、このたび情報ネットワーク法学会にインターネット投票研究会を発足させるこ
とになりました。本研究会では、有識者を中心とした研究会員により、インターネット投
票の実現に向けて国内外における問題点の調査及び研究を行い、広く一般に提言ができる
ようにしたいと考えております。

 今後、シンポジウム等の開催も予定しておりますので、この趣旨にご賛同いただける方
々からの積極的なご参加をお願い申し上げます。

2015年7月

主査: 湯淺 墾道(情報セキュリティ大学院大学教授)

副主査:河村 和徳(東北大学准教授)

本研究会では、ISO/IEC JTC1 SC27/WG5 において標準化が進められているプライバシー関
連の国際規格について検討を行っています。現在は、主として、プライバシー影響評価
(Privacy Impact Assessment)に関する国際規格であるISO29134 について議論を行って
います。

主査: 村上 康二郎(東京工科大学准教授)